【英文法】不定詞の名詞的用法

不定詞の名詞的用法

不定詞は準動詞の仲間で、大きく分けて名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3種類の用法があります。

ちなみになぜ不定詞という名前なのかと言うと、不定詞は文中に入らないと名詞、形容詞、副詞の内どの使い方になるか確定しないからです。
つまり、文中に入らないと品詞が定まらないので、不定詞と呼ばれます。

不定詞はどの用法でも共通で、to + 動詞の原形の形を使います。

今回は、名詞的用法について解説していきます。

不定詞の名詞的用法は、動詞を名詞扱いで使うことができる用法で、「~すること」という意味です。
従って文中で、主語( S )、目的語( O )、補語( C )として使うことができます。
名詞は文中で、主語( S )、目的語( O )、補語( C )として使うことができますからね!

不定詞の名詞的用法:「~すること」
[S *To study EnglishV is [important]. 「英語を勉強することは重要です。」
[S I] V decided [O to become a teacher]. 「私は教師になることに決めました。」
[S My dream] is [C to become a lawyer]. 「私の夢は弁護士になることです。」

*不定詞を主語( S )として文頭に置くのはあまり一般的ではありません。
その場合は、「it ~ to 構文」という形の文を使います。
次の項で詳しく見ていきましょう!

仮主語の it( it ~ to 構文)

不定詞を主語( S )として文頭に置くのは、現代の英語ではあまり一般的ではありません。

文法的に間違っているとか意味が通じなくなるわけではないのですが、普通は it ~ to 構文と呼ばれる形の文を使います。
以下のような形の構文です。

it ~ to 構文:it + be動詞 + 形容詞 + to + 動詞の原形 ~. 「~することは、…(形容詞)だ。」

it ~ to 構文では、*仮の主語として it を主語の位置に置いて、不定詞の部分(本物の主語=真主語)は後ろに回します。
*仮主語の it や形式主語とも呼びます。

先程の例文をit ~ to 構文に書き換えたものを見比べて見ましょう。

[S To study English] V is [important]. 「英語を勉強することは重要です。」

[仮S  ItV is [C important 真S to study English]. 「英語を勉強することは重要です。」

it ~ to 構文を使ったとしても、意味は変わりません。
ネイティブの人にとっては、このほうが自然な英語に感じるというだけです。

it ~ to 構文 不定詞の意味上の主語

先程の例文をもう一度見てみましょう。

[仮S  It] V is [C important 真S to study English]. 「英語を勉強することは重要です。」

この文に「私にとっては」という意味を付け加えたい場合は、以下のような形になります。

[仮S  It] V is [C important for me 真S to study English]. 「英語を勉強することは私にとって重要です。」

この「~にとっては」の部分は不定詞の意味上の主語と呼ばれており、基本的には for + 名詞(代名詞の目的格)で表します。

不定詞の意味上の主語をit ~ to 構文に加えた場合、以下のような形になります。
it ~ to 構文:it + be動詞 + 形容詞 + for + 名詞(代名詞の目的格)+ to + 動詞の原形 ~. 
      「~することは、for 以下にとって…(形容詞)だ。」

ただし、it ~ to 構文の形容詞の部分が、人物評価を表す形容詞の場合は、意味上の主語は of + 名詞(代名詞の目的格)で表します。

it ~ to 構文:it + be動詞 + 形容詞 + of + 名詞(代名詞の目的格)+ to + 動詞の原形 ~. 
      「~するとは、of 以下は…(形容詞)だ。」
普通のit ~ to 構文と比べると、訳し方も少し違うので注意が必要です。

[S It] V is [C kind of you to help me]. 「私を手伝ってくれるなんて、あなたは親切ですね。」

人物評価を表す形容詞には、以下のようなものがあります。
kind, good, nice 「親切な」
brave 「勇敢な」
smart, clever, wise 「賢明な」
foolish, silly, stupid 「愚かな」
polite 「丁寧な、礼儀正しい」
rude 「無礼な」
careless 「不注意な」

ではなぜ、人物評価を表す形容詞がit ~ to 構文で使われる場合意味上の主語は of + 名詞(代名詞の目的格)になるのでしょう?

その秘密は前置詞の意味の違いにあります。
for は観点を表すことができるので「(人)にとっては」という意味になり、普通のit ~ to 構文の意味上の主語にぴったりです。

対して、of は「~の」という意味で所有を表すことができます。
人物評価を表す形容詞の場合は、of の持つ所有の意味「~の」で「私を手伝ってくれるのは、あなたの(あなたが持っている)親切さがあるからです。」のような意味にしたいので of を使うのです。

~ kind of you で「~ あなたがもともと心に所有している親切さ」みたいな意味になるわけです。

なんだか素敵な表現ですね♪

仮目的語の it

仮主語(形式主語)の他に、仮目的語(形式目的語)というものもあります。

以下の例文を見てみましょう。

[S He] V found [仮O it] [C hard 真O to answer this question]. 「彼は、この問題に答えるのが難しいと思った。」

このように、S V O C (第5文型)の文で、目的語( O )が不定詞の場合は it を O の位置に置いて、不定詞の部分(本物の主語=真主語)は後ろに回します。
He found to answer this question hard. としてしまうと、述語動詞( V )と補語( C )が離れてしまい、文の構造が分かりにくくなってしまうので、第5文型( S V O C )の文で目的語( O )が不定詞の場合は、必ず仮目的語の it を使い、不定詞の部分は後ろに置きましょう。

疑問詞 + to 不定詞

不定詞の直前に疑問詞を置いて、疑問詞 + to 不定詞の形で不定詞を使うことがあります。

この形は目的語( O )として使われることが多いです。

疑問詞 + to 不定詞は、「疑問詞の意味+~すべきか」という意味になります。

様々な疑問詞を不定詞の直前に置いて使うことができますが、why だけは使えません。
つまり、why to 不定詞という形はありません。

それでは、いくつか例文を見てみましょう。
[S I] V don’t know [O what to do next]. 「私は次に何をすべきかわからない。」
[S She] V asked [O1 her teacher] [O2 when to start]. 「彼女は先生にいつ出発すべきか尋ねました。」
[S My father] V taught [O1 me] [O2 how to swim]. 「私の父は私に*泳ぎ方を教えてくれました。」
*how to 不定詞は「どのように~すべきか」と訳すよりも、「~のやり方」と訳したほうが自然な表現になります。

まとめ

今回は、不定詞の名詞的用法について解説しました。

名詞的用法だけでも、覚えることはたくさんありますね💦

今回解説したことに加えて、不定詞の名詞的用法と動名詞との使い分けについても知っていなければいけません。
不定詞の名詞的用法と動名詞の使い分けについては、こちらの記事をどうぞ。

覚えることは多いですが、頑張っていきましょう!

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