【英文法】準動詞

準動詞とは?

英語の動詞には、述語動詞( V )と準動詞という2種類の使い方があります。

まずは、述語動詞( V )についておさらいしましょう!
次の文を見てみましょう。

[S John] V likes [O watching movies]. 「ジョンは映画を観ることが好きです。」

使われている英単語の品詞を確認すると、動詞は likes と watching です。
ですが、この文では likes が述語動詞( V )です。
このように、述語動詞( V )は文中で「~である。/~する。」などの状態や動作を表す動詞の事です。
何故 likes が述語動詞( V )なのか詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

では、watching は何なのでしょうか?
[S John] V likes [O watching movies]. 「ジョンは映画を観ることが好きです。」

watching は「映画を観ること」というカタマリで述語動詞( V )の likes の目的語( O )になっています。
「品詞が動詞なのに watching が目的語( O )になれるの?」と思った方は、かなり品詞文型について勉強していますね!
普通目的語( O )は、名詞(代名詞)しかなれません。
しかし、本来動詞である watching が「観ること」という意味で名詞として使われています。

このように、動詞を別の品詞として使う使い方を準動詞と呼びます。
動詞に ~ing を付けて名詞として使う準動詞は、動名詞と呼ばれます。(動詞を名詞として使うので、動名詞。分かりやすいですね!)

また、準動詞はもともと動詞なので、目的語( O )や補語( C )を取り、文のような構造になることがあります。

先ほどの例文の watching も後ろに movies という目的語を取っていて、文のような構造になっていますね!(主語がないので文ではないです。)
細かく文型の記号を付けると以下の様になります。
文型の記号の付け方についてはこちらの記事をどうぞ!

[S John] V likes [O V’ watching [O’ movies]]. 「ジョンは映画を観ることが好きです。」

それでは、準動詞の種類について詳しく見ていきましょう!

準動詞の種類

準動詞には、以下の*3つの種類があり、動詞を様々な品詞として使うことができます。

to 不定詞:動詞を、名詞句/形容詞句/副詞句として使う。

動名詞:動詞を名詞句として使う。

分詞(現在分詞/過去分詞):動詞を形容詞として使う。(分詞構文では副詞句として使う。)

動詞の原形も実は準動詞の仲間です。
助動詞の後に置く、知覚動詞/使役動詞とともに使う、特殊な構文や言いまわしで使うなど様々なものがありますが、①~③の様に動詞を全く別の品詞として使っているというわけではないので、今回は割愛します。

名詞句、形容詞句のように「句」という言葉が付いていますが、簡単に説明すると句=フレーズ/意味のカタマリの事です。
名詞句=名詞のカタマリということですね!
句についてはもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事を参照してください。

それでは、それぞれの準動詞について簡単に説明していきます。

不定詞=名詞 or 形容詞 or 副詞

不定詞は動詞を、名詞、形容詞、または副詞として使う使い方です。

to + 動詞の原形 という形で使います。

不定詞は、文中に入らないと名詞、形容詞、副詞の内どの使い方になるか確定しません。
つまり、文中に入らないと品詞が定まらないので、不定詞と呼ばれます。

それぞれの品詞の使い方と意味を例文で確認していきましょう。

不定詞の名詞的用法は、動詞を名詞扱いで使うことができます。
従って文中で、主語( S )、目的語( O )、補語( C )として使うことができます。
名詞は文中で、主語( S )、目的語( O )、補語( C )として使うことができますからね!

不定詞の名詞的用法:「~すること」
[仮SIt] V is [C important 真S to study English]. 「英語を勉強することは重要です。」
(= [S To study English] V is [C important].)
[S I] V decided [O to become a teacher]. 「私は教師になることに決めました。」
[S My dream] V is [C to become a lawyer]. 「私の夢は弁護士になることです。」

*不定詞を主語( S )として使うのはあまり一般的ではありません。
その場合は、仮の主語として it を用いて、不定詞の部分(本物の主語=真主語)は後ろに回します。
これを it ~ to 構文と呼びます。
It ~ to 構文や不定詞の名詞的用法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!

不定詞の形容詞的用法は、動詞を形容詞扱いで使うことができます。
形容詞扱いなので、名詞を修飾する使い方をします。文中で補語( C )になる使い方はしません。
不定詞の形容詞的用法は必ず、名詞+不定詞の形容詞的用法( to + 動詞の原形)の様に修飾する名詞の後に置かれます。
不定詞の形容詞的用法の訳し方は、修飾する名詞との関係性で決めるので、色々な訳し方がありますが、以下の3つの訳し方を覚えておけば大丈夫です。

不定詞の形容詞的用法:名詞+不定詞の形容詞的用法「~するための、~するべき、~する名詞」(訳は修飾される名詞と不定詞の関係性で訳す)
[S I] V have [O many friends to help me]. 「私には自分を助けてくれる友人がたくさんいる。」
[S I] V have [O many friends to help]. 「私には助けてあげなければならない友人がたくさんいる。」
[S I] V want [O something to write with].  「私は何か書くもの(筆記用具)が欲しい。」

不定詞の形容詞的用法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!

不定詞の副詞的用法は、動詞を副詞扱いで使うことができます。
副詞扱いなので、名詞以外の語句や文を修飾する使い方をします。
特に動詞や形容詞を修飾する使い方が多いです。
不定詞の副詞的用法には、6種類も使い方があります。
今回は、日常会話などでよく使う使い方の例文を3つ紹介します。

不定詞の副詞的用法
① 目的「~するために」
[S I] V went (M to the library) (M to return the book). 「私は本を返却するために図書館に行きました。」
② 感情の原因「~して」
[S I] V was [C surprised (M to hear the news)]. 「私はそのニュースを聞いて驚きました。」
③ 形容詞の限定「~するのに形容詞だ」
[S This book] V is [C easy (M to understand)]. 「この本は理解しやすい。(この本は理解するのに簡単だ。)」

不定詞の副詞的用法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!

動名詞=名詞

動名詞は動詞を名詞として使う使い方です。

動詞の原形+~ing という形で使います。
*動詞のing形とも呼びます。
*動詞のing形のことをよく「進行形」と呼ぶ人がいますが、進行形は be動詞+動詞のing形です。be動詞が付いていない動詞のing形は、進行形ではありません。意味も使い方も全く違うので注意しましょう!

動名詞の意味は、不定詞の名詞的用法と同じで「~すること」という意味になります。
不定詞の名詞的用法と動名詞の使い分けについてはこちらの記事をどうぞ!

名詞扱いなので、主語( S )、目的語( O )、補語( C )として使うことができます。
また、前置詞+動名詞の様に、前置詞の後に前置詞の目的語として置いて使うこともできます。
不定詞の名詞的用法はこの使い方ができません。
理由は、不定詞の to はもともと前置詞なので、前置詞+to+動詞の原形としてしまうと、前置詞が2連続になってしまうからです。
また、前置詞の後には名詞しか置けないというルールがあるので、前置詞の後に to を置くことができません。

動名詞:「~すること」
[S Speaking English] V is not [C easy]. 「英語を話すことは簡単ではない。」
[S I] V have finished [O reading the book]. 「私はその本を読み終えました。」
[S Her hobby] Vis [C playing the piano]. 「彼女の趣味はピアノを弾くことです。」
[S She] V is [C good at speaking English]. 「彼女は英語を話すのが得意だ。」

[S Her hobby] V is [C playing the piano].
この文では、playing に be動詞が付いているように見えますが、is playing を現在進行形だと解釈して読んでしまうと「彼女の趣味(という人物?生き物?)がピアノを弾いています。」になってしまうので違います。

分詞=形容詞

分詞は基本的に動詞を形容詞として使う使い方です。
この使い方は分詞の形容詞的用法と呼ばれます。(分詞構文では副詞として使います。)
分詞の形容詞的用法は普通の形容詞と同じように使えるので、名詞を修飾したり、文中で補語( C )になったりできます。(不定詞の形容詞的用法は補語( C )としては使えませんでしたね!)

現在分詞と過去分詞の2種類の形があります。

現在分詞は動名詞と同じ動詞のing形「~している」、過去分詞は動詞の過去分詞形「~される、~された」という意味です。

現在分詞と過去分詞の使い分けは、分詞で修飾する名詞が分詞の行為をする側(能動)なのか、される側(受動)なのかで決まります。
日本語の表面的な意味だけ見ると間違えることがあるので注意しましょう。

例えば、「壊れている窓」という日本語を分詞を使って英語にする場合を考えてみましょう。
この場合、「窓」という名詞を「壊れている」という言葉が修飾しています。
「~している」=現在分詞だから、a breaking window だと思った方がいるかもしれませんが、これはは間違いです。
正しくは、a broken window です。
なぜなら、窓は(自分自身を)壊す側ではなく、壊される側のモノだからです。

分詞を使うときは、日本語の字面だけを見て飛びついてはいけません。
必ず、名詞と分詞の関係性を見て、~する側(能動)なのか、~される側(受動)なのかを確認するようにしましょう!
慣れてくると考えなくても正しく使えるようになります。
現在分詞と過去分詞の使い分けについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!

まずは現在分詞から確認していきましょう!

現在分詞:「(自分から)~している」能動(する側)
[S A drowning man] V will catch (M at a straw). 「溺れる者(溺れている人)は藁をもつかむ。」
この文では、名詞の a man を現在分詞の drowning が修飾しています。
このように分詞(形容詞)1単語で名詞を修飾する場合は、名詞の直前に分詞を置きます。(前置修飾)

[S I] V know [O the boy swimming in the pool]. 「私はプールで泳いでいる男の子のことを知っています。」
この文では、名詞の the boy を現在分詞のカタマリ swimming in the pool が修飾しています。
このように2語以上のカタマリで名詞を修飾する場合は、名詞の直後に分詞のカタマリを置きます。(後置修飾)

[S I] V saw [O him] [C running in the park]. 「私は彼が公園を走っているのを見ました。」
この文では、running in the park という現在分詞のカタマリが補語( C )になっています。
O と C の間にbe動詞を入れて確かめると、He (him) is running in the park. となり、O = C が成立するので、running in the park は補語( C )です。
補語( C )の判定の仕方については、こちらの記事をどうぞ!

次に過去分詞を見ていきましょう!

過去分詞:「~される、~された」受動(される側)
[S The police] V found [O the stolen money] (M in the car). 「警察はその車の中で盗まれたお金を見つけた。」
この文では、名詞の the money を過去分詞の stolen が修飾しています。
このように分詞(形容詞)1単語で名詞を修飾する場合は、名詞の直前に分詞を置きます。(前置修飾)

[S The picture painted by my son] V won [O the contest]. 「私の息子によって描かれた絵がコンテストで優勝した。」
この文では、名詞の the picture を過去分詞のカタマリ painted by my son が修飾しています。
このように2語以上のカタマリで名詞を修飾する場合は、名詞の直後に分詞のカタマリを置きます。(後置修飾)

[S His eyes] V remained [C closed]. 「彼の目は閉じられたままだった。」
この文では、過去分詞の closed が補語( C )になっています。
S と C の間にbe動詞を入れて確かめると、His eyes are closed. となり、S = C が成立するので closed は補語( C )です。

まとめ

今回は、準動詞について解説しました。

不定詞、動名詞、分詞はそれぞれ別々の文法として習うことが多いので、そもそも準動詞という1つの共通の文法事項だということを知らない人が多いように思います。

それぞれの準動詞の基本的な使い方を説明しただけなので、より詳しい使い方はそれぞれの記事で確認してみてください!(特に、不定詞の副詞的用法や分詞構文などは今回の記事で一部しか触れていない/全く触れていないので、是非それぞれの記事を読んでみてください!)

覚えることが多いですが、準動詞を使いこなせるようになれば表現の幅が一気に広がります!
一緒に頑張っていきましょう!

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