【英文法】5文型

そもそも5文型って必要?

英語を教える際に5文型について解説をしていると必ず「5文型ってやる必要あるんですか?」という意見を耳にします。

この「5文型ってやる必要あるんですか?」という意見が出る背景には「ネイティブは5文型を使わないし、知らない。」、「5文型は古い。」、「難しそうだからやりたくない。」など様々な理由があると思います。

私はこの意見に対していつも、「5文型は学んだ方が良いけど、場合による。」と答えています。

英語が少し喋れればいい人、英語を使ってカッコつけたい人、文法が間違っていても日常会話に困らない程度にコミュニケーションが取れればいい人などは、5文型を学ぶ必要はないと思います。
日常会話でよく使われるフレーズや文の型を覚えて、単語を大量に覚えれば何とかなります。

反対に、英語をなんとなくではなく正確に使えるようになりたい人、自分や他人の英語を添削できるようになりたい人、英語の先生になりたい人などは、必ず5文型を学ぶ必要があります。

5文型は、「その英文がなぜそう読めるのか?」という質問に答えるための根拠になります。
間違った英文を見たら、「ネイティブはそう言わないから。」というぼんやりとした理由ではなく、「この文型では、この位置にこの品詞を置くことはできないので、こう修正する必要がある。」としっかりと根拠を持った添削をすることができます。
こういった知識は、英語を教える際に必須になってきます。

特に、英語を教える職業に将来就きたいのであれば、5文型の知識は必須です。

「でも、単語をたくさん覚えれば5文型は必要ないんじゃない?」と思う人がいるかもしれません。

それが通用するのは中学英語までです。
なぜなら、中学英語には初めて英語に触れる中学生の生徒が挫折しにくいように「1つの英単語には原則として1つの日本語の意味」という優しい制約を設けてあるからです。
本物の英語というよりは教科としての英語になっていて、勉強しやすいようになっています。

中学校まではおそらく単語の意味さえ分かれば、大体の意味は把握できていたかもしれません。

中学英語を完璧にマスターした人の英語の解釈の仕方を再現すると、以下のような感じになると思います。

One of the books which I borrowed yesterday has been read all over the world for a long time.

・一つ ~の… その 本(複数)(one of the 複数名詞は「~の中の1つ」)

・関係代名詞のwhich だからwhichからyesterdayまでがbooksの説明

・I=私は(が) 

・borrowed=借りた 

・yesterday=昨日

・has been read(現在完了形で受け身のreadだから「読まれたことのある(経験)」「読まれた(完了)」「(今まで)読まれてきた(継続)」のどれか)

・all over the world「世界中で」

・for a long time 「長い間」

これをいい感じの日本語に並び替えればなんとなく意味が分かりそう!

「私が昨日借りた本の1冊は長い間世界中で読まれています。」

できた!

しかし、この読み方が可能なのはあくまでも、中学英語には初めて英語に触れる生徒が挫折しにくいように「1つの英単語には1つの日本語の意味」という優しい制約を設けてあるからです。
中学までの英文の読み方は、「英単語1つに対して1つの日本語の意味を覚えて、それを自然な日本語になるように並べ替える。」という読み方です。最低限国語力と暗記力があれば、誰でも得意科目にできます。

しかし、高校英語になると1つの単語に複数の意味があるのは当たり前です。特に動詞は、どの意味で訳せばよいのか(解釈すればよいのか)は、多くの場合その動詞が使われている英文の文型が判断できないと誤った解釈をしてしまいます。

また、中学校の時には出会わなかったより複雑な構造の文に出会ったときに、今までのように単語の意味を把握して、日本語の並び替えをするような訳し方では正しい解釈をすることは困難です。

以下のような英文を、中学校までの読み方で完璧に訳したり理解したりするのは難しいと思います。

I found the bed comfortable.

「私は快適なベッドを見つけた。」などの様に訳してしまうのではないかと思います。

正解は、「そのベッドは寝心地が良いことが分かった。」です。
仮に、find に「~が…だと分かる」という意味があるということを知っていたとしても、文型が分からないとこの文では「~を見つける」という意味にはならないということを説明するのは難しいです。

「1つの英単語には1つの日本語の意味」という優しい制約は高校英語からはもう存在しないし、そもそも1つの単語に複数の意味があるのが普通の英語です。

無駄をなくしたい、効率よく勉強したいと思う気持ちは分かりますが、何かをやらなくていい理由を一生懸命探す人は英語学習に限らず、何をやっても伸びないと私は思います。
ダイエットでも、「運動せずに痩せる!」などのあなたにとって都合の良いことばかり書いてある方法は、たいていウソか効果がないものですよね?(それでも「楽して痩せる」系のダイエット本や方法が毎年流行るのは楽をしたいと思うのが人間のさがということなのでしょう。。。)

何かが無駄かどうかは、実際に自分でやってみてから判断するのが良いのではないかと私は思います。

それでは、次の項で「そもそも5文型とは何なのか?」について学んでいきましょう!

5文型とは

英語における5文型とは、動詞の用法を中心に英文を5パターンに分類して解釈する英文の解釈方法のことです。

現在使われている英語が、たったの5パターン(5文型)に分かれるということを発見したのは、イギリスのオックスフォード大学の語源学者、C.T.Onionsという方で、”An Advanced English Syntax(1903)” という英語のネイティブスピーカーのために書かれた本で発表されました。

5文型のそれぞれの型は以下の通りです。

第1文型:S V「Sが(は)Vする

第2文型:S V C「S=C SはCの状態(にVする)

第3文型:S V O「Sが(は)OをVする

第4文型:S V O1 O2Sが(は)O1にO2をVする

第5文型:S V O C「Sが(は)O=Cの状態にVする

この訳し方の型を覚えることが非常に重要です!

文の要素(S V O C)

文型を確定させるために必要な文の要素を表す記号のことを「文の要素」と呼びます。
S V O C の4種類の記号で表し、それぞれ subject(主語)、verb(動詞)、object(目的語)、compliment(補語)の頭文字になっています。
どの文型に当てはまるのかを知るためには、S V O C の4つの記号に分けられる「文の要素」を理解し、英文のどこからどこまでが S なのか、V なのか、O なのか、C なのか…が分かる必要があります。

文の要素は、その単語の品詞と文中での役割で決まります。
5文型に限らず、英語学習に品詞の知識は不可欠です。英文を正しく解釈できるようになるためには、単語を覚えるときに品詞も併せて覚えましょう!

しかし、名詞の場合は「名詞なら必ずO」とは言えない場合があります。

名詞を使う文の要素は、S, O, C の3種類あるからです。

S は基本的には述語動詞の直前の名詞のカタマリが主語なので分かりやすいですが、O と C の区別は少しややこしいと感じる人もいます。

どんな品詞がそれぞれの記号になれるのかに加えて、特にOとCの判定基準については必ず覚えておきましょう!

文の要素(S V O C)

S(=subject)
文中での役割:主語。「~は、~が」にあたる部分。
品詞:名詞、代名詞
判定基準: 述語動詞の直前にある名詞のカタマリ。

V(=verb)
文中での役割:述語動詞。「~する、~だ」にあたる部分。
品詞:動詞

O(=object)
文中での役割:目的語。「~を、~に」にあたる部分。 動作や行為の対象となる人や物。
品詞:名詞、代名詞
判定基準:S とは別物。 主語(S)と目的語(O)は=(イコール)の関係にはならない。

C(=compliment)
文中での役割:補語。主語(S)や目的語(O)について情報を補う。
品詞:形容詞、名詞
判定基準:主語(S)や目的語(O)と=(イコール)の関係になる。

以上が、S V O C の4種類の文の要素を判別するのに必要な知識になります。

そして、S V O C の4種類の文の要素に当てはまらない語句は、M (修飾語)という記号で表します。
M は modifier の頭文字です。

S V O C 以外の修飾語 

M(=modifier)
文中での役割:修飾語。S V O C などを説明する語(句)(S V O C 以外)。
品詞:副詞副詞の役割をする語句

Mに分類される要素        
・特に「when(いつ)、where(どこで)、how(どのように)、why(なぜ)」などの副詞部分。
・前置詞+名詞のカタマリ。
・動詞を説明(動詞を修飾)している語句。

以上が M(修飾語)の記号で表されるものになります。

文型を確定させるには、S V O C という4種類の文の要素を見分けて、S V O C に当てはまらない語句は M という記号を付けます。  

次の項で実際に5文型を使った英文の読み方を練習をしていきましょう!

5文型を使った英文の読み方 実践

実際に練習問題を解く前に、注意事項があります。

それは、「S V O C M の記号は最初に V(述語動詞)を見つけること。」です。

理由は、V の直前の名詞のカタマリは S になるからです。
まず最初に V を見つけることで、おのずと S が見つかるので一石二鳥ということです。
英語では、10数単語からなる長い主語の文がたくさんあります。
文頭から読んでいって、「いったいどこからどこまでが主語なんだ?」となってしまったり、主語に含まれている述語動詞ではない動詞を V としてしまうと、正しく英文を読解することはできません。
こういった混乱を避けるために、文型を確定させるときは「まず最初に V を見つける。」ことを意識すると格段に読みやすくなります。
特に慣れないうちはこの方法を徹底してください。
V(述語動詞)の判断基準については、こちらの記事を参照してください。

それでは、以下の英文に S V O C M の記号を付けて、文型を確定して日本語訳してみましょう!
文型を確定させなくても意味が取れてしまう英文がほとんどかもしれませんが、練習だと思って解いてみてください。

(1) People living in this town like soccer.

(2) This flower is beautiful.

(3) Listening to music makes me happy.

(4) You can buy a ticket at the counter.

(5) The work took him three hours.

(6) I painted the wall white.

(7) The traffic light turned green.

(8) We arrived at Tokyo Station at noon.

(9) I found the book difficult.

(10) My brother became a university student.

どうでしたか?

意外と O と C の区別などにてこずった方もいるかもしれません。

それでは、解答と解説を見ていきましょう!
それぞれ「何故その記号になるのか?」についての根拠も記載しておきますので、迷った方は参考にしてみてください。S V O C M の記号の付け方については、こちらの記事を参照してください。

(1) [S People living in this town] V like [O soccer]. 
まず V から見つけていきます。
like が V になるので、直前の名詞のカタマリである、People living in this town が S ですね。
living は現在分詞という形で、準動詞なので V(述語動詞)にはなれません。
soccer は S の People living in this town とは別物でイコール関係にはないので、C ではなく O になります。
文型は、S V O なので第3文型です。
第3文型は、「Sが(は)OをVする」という型で訳せばよいので、S V O それぞれの内容を日本語にして、型に当てはめると「この町に住んでいる人々は、サッカーを好む。」=「この町に住んでいる人々は、サッカーが好きだ。」と訳すことができます。

(2) [S This flower] V is [C beautiful].
まず V は be動詞の is です。
This flower が主語になり、beautiful は品詞が形容詞なのと This flower = beautiful が成立するので C です。
文型は、S V C で第2文型なので、「S=C SはCの状態(にVする)」という型に当てはめると「この花は美しい。」と訳すことができます。

(3) [S Listening to music] V makes [O me] [C happy].
まず三人称単数の -s が付いているので V は makes です。
Listening は動名詞なので V にはなりません。
Listening to music が S になり、me は代名詞で Listening to music とはイコール関係にならないので O です。
happy は形容詞で、me =happy が成立するので C です。
文型は、S V O C で第5文型なので、「Sが(は)O=Cの状態にVする」と訳します。
make は第5文型では「O を C(の状態)にする」と訳すので「音楽を聴くことは私を幸せにします。」と訳すことができます。

(4) [S You] V can buy [O a ticket] (M at the counter).
まず助動詞 can が付いているので、can buy が V です。
You が S で、You と 名詞の a ticket はイコール関係にならないので C ではなく O です。
at the counter は前置詞+名詞の表現で、where(どこで)にあたる内容なので M です。
M は文の要素(S V O C)以外の記号で、文型を確定させる要素ではないので、M を除くと文型はS V O で第3文型です。
「Sが(は)OをVする」の型に従って訳すと、「あなたはチケットをカウンターで買うことができます。」と訳すことができます。

(5) [S The work] V took [O1 him] [O2 three hours].
まず過去形のtookが V です。
The work が S で、代名詞の him は The work とイコール関係にならないので O 、three hours は、「3時間」という意味の名詞で him とイコール関係にならないので O です。
S V O1 O2 で第4文型なので、「Sが(は)O1にO2をVする」の型に従って訳します。
take は第4文型だと「O1 が / は(…するのに)O2(時間、労力、勇気など)を必要とする / かかる」と訳します。
つまり、この文の took は「取った」とは訳しません。
「その仕事をするのに、彼は3時間かかった。」と訳すことができます。

(6) [S I] V painted [O the wall] [C white].
まず painted が V です。
I が S で、名詞の the wall は I とイコール関係にならないので O 、the wall = white が成立するので white は C です。
S V O C で第5文型なので、「Sが(は)O=Cの状態にVする」と訳します。
「私は、その壁を白色に塗りました。」と訳すことができます。

(7) [S The traffic light] V turned [C green].
まず turned が V です。
The traffic light が S で、名詞のgreen はThe traffic light = green が成立するので C です。
S V C で第2文型なので、「S=C SはCの状態(にVする)」の型に当てはめて訳します。
turn は第2文型では、「(C)になる」と訳すので、「その信号は緑になった。」と訳すことができます。

(8) [S We] V arrived (M at Tokyo Station) (M at noon).
まず arrived が V です。
We が S で、at Tokyo Station は前置詞+名詞なのと where(どこで)にあたる内容なので M です。
at noon は前置詞+名詞なのと when(いつ)にあたる内容なので M です。
S V で第1文型なので、「Sが(は)Vする」の型に従って訳すと「私たちは東京駅に正午に到着した。」と訳すことができます。

(9) [S I] V found [O the book] [C difficult].
まず found が V です。
I が S で、名詞のthe book は I とイコール関係にならないので O です。
difficult は形容詞で the book = difficult が成立するので C です。
S V O C で第5文型なので、「Sが(は)O=Cの状態にVする」と訳します。
第5文型の find は「発見する」ではなく「O が C(の状態)だと分かる / 思う」と訳すのが正しいので、「私はその本が難しいと思った。」と訳すことができます。

(10) [S My brother] V became [C a university student].
まず became が V です。
My brother が S で、名詞の a university student は My brother とイコール関係が成立するので C です。
S V C で第2文型なので、「S=C SはCの状態(にVする)」の型に当てはめると「私の兄(弟)は大学生になりました。」と訳すことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか?
今回の10問の例題は、文型をわざわざ確定させなくてもなんとなく読めてしまう長さだったのではないかと思います。
5文型の知識は、もっと長く複雑な英文を読む際に真価を発揮します。

また、5文型の知識は英語を他人に教えるのであれば必要不可欠です。
I found the book difficult. の found が何故「発見した」ではなく「~ が …だと分かる / 思う」という訳をするのが正しいのかは「英語が得意な私が “そう読むのか正しい” と思うから。」では、完全に納得してもらうことは難しいです。この説明には根拠がないからです。
対して、文型を根拠に説明した方が論理的ですし納得してもらいやすいと思います。

しかし、5文型は正しく使いこなせるようになるためには、品詞、文の要素の判定基準など前提知識が膨大です。
少しずつでも良いので、必要な知識を身に着けていきましょう!

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