述語動詞=V
述語動詞とは、文中で「~である。/~する。」などの状態や動作を表す動詞の事です。
文型での記号は、V (=verb) になります。
英文は述語動詞を中心に作られています。
述語動詞は、車で例えるとエンジンのようなものです。
車がエンジンなしでは走れないように、英文を正しく正確に読むためには述語動詞とそうでない動詞を区別できないといけません。
述語動詞になれる品詞はもちろん動詞ですが、動詞であれば全て述語動詞というわけではありません。
動詞の基本に関しては、こちらの記事を参照してください。
英語では、動詞を別の品詞として使うことがあります。
次の例文を見てみましょう。
John likes watching movies. 「ジョンは映画を観ることが好きです。」
この文には、likesとwatchingという2つの動詞がありますが、述語動詞は、likes です。(理由は次の項でお話しします。)
では、watchingはどうでしょう?
品詞はもともと動詞ですが、この文では likes の目的語として使われています。
目的語になれる品詞は、名詞または代名詞です。
watchingはもともとの品詞は動詞ですが、名詞として使われています。
このように動詞を別の品詞として使う場合は、準動詞と呼ばれる形に変えて述語動詞と区別します。
つまり、準動詞は述語動詞にはなりません。
ちなみにこの文の場合は、動詞のwatchに~ingを付けて、動名詞と呼ばれる形で名詞として使っています。
準動詞に関しては、こちらの記事を参照してください。
品詞の知識だけでは、述語動詞を見分けることは難しいです。
では、述語動詞とそうでない動詞をどのように見分ければよいのでしょうか?
述語動詞の見分け方
では、述語動詞とそうでない動詞の見分け方を紹介します。
動詞が述語動詞かどうか見分ける方法はいくつかありますが、その中でも「確実にこの場合は述語動詞だ!」と言える3つのケースを紹介します。
1つ目は、三人称単数の -s が付いている動詞は必ず述語動詞です。
先ほど、準動詞は述語動詞にはならないという話をしましたが、準動詞には動詞に -s を付ける用法はありません。
だから、-s が付いている動詞は確実に述語動詞です。
先ほどの例文、John likes watching movies. でもそうでしたね!
2つ目は、時制が変化している動詞は必ず述語動詞です。
以下の例文を見てみましょう。
Kevin enjoyed listening to music. 「ケビンは音楽を聴くことを楽しんだ。」
この文では、過去形になっている enjoyed が述語動詞です。
listening は準動詞である動名詞として使われているので、述語動詞ではありません。
~ing が付いている動詞は、進行形なので述語動詞ではないのか?と思う方がいるかもしれませんが、進行形は be動詞 + 動詞の ~ing です。
be動詞が付いていない ~ing は述語動詞にはなれない準動詞です。(~ing を付ける準動詞は、動名詞と現在分詞の2種類です。)
3つ目は、be動詞、助動詞、have (has/had) が付いている動詞は必ず述語動詞です。
このルールは、2つ目のルールにも関わって来ます。
時制が変化している動詞には、be動詞、助動詞、have (has/had) が付いていることがあるからです。
動詞にbe動詞が付く場合。
・進行形:be動詞+動詞の~ing
現在進行形:am/is/are + 動詞の~ing
過去進行形:was/were + 動詞の~ing
未来進行形:will + be動詞 + 動詞の~ing
・受け身(受動態):be動詞 + 動詞の過去分詞形
動詞に助動詞が付く場合。
・助動詞の文:助動詞 + 動詞の原形
・未来形:will + 動詞の原形、be動詞 + going to + 動詞の原形
・未来完了形:will + have + 動詞の過去分詞形
・未来完了進行形:will + have + been + 動詞の~ing
動詞に have (has/had) が付く場合。
・現在完了形:have/has + 動詞の過去分詞形
・現在完了進行形:have/has + been + 動詞の~ing
・過去完了:had + 動詞の過去分詞形
・過去完了進行形:had + been + 動詞の~ing
・未来完了形:will + have + 動詞の過去分詞形
・未来完了進行形:will + have + been + 動詞の~ing
以下の例文を見てみましょう。
I was eating lunch at 1 p.m. 「午後1時に私は昼食を食べていました。」
was eating が過去進行形の形なので、述語動詞。
She has been living in Japan for over 20 years. 「彼女は20年以上日本に住んでいる。」
has been living が現在完了進行形の形なので、述語動詞。
Mr. Johnson must finish writing his report by Monday.
「ジョンソン氏は月曜までに報告書を書き終えなければならない。」
must finishが助動詞+動詞の原形なので、述語動詞。writing は動名詞。
be動詞、助動詞、have (has/had) が付いている場合は、be動詞、助動詞、have (has/had) + 動詞で1つの述語動詞のカタマリとして扱います。
Emily can swim very well. 「エミリーはとても上手に泳ぐことができる。」
この文では、can swim の2語で1つの述語動詞のカタマリです。
まとめ
いかがだったでしょうか?述語動詞とそうでない動詞が見分けられるようになると、どの動詞を中心に英文を読めばよいのかがはっきりするので、便利です。
・三人称単数の -s が付いている動詞
・時制が変化している動詞
・be動詞、助動詞、have (has/had) が付いている動詞
この3つのいずれかに当てはまれば、確実に述語動詞です。
慣れれば、英文を見た瞬間に分かるようになります!
文型を使った英文の精読には欠かせない知識になるので、しっかりと覚えて使いこなせるようにしていきましょう!