この記事で分かること
・分詞の形容詞的用法について
・現在分詞と過去分詞の使い分けについて
分詞=形容詞
分詞は準動詞の仲間で、動詞を形容詞として使う使い方です。
この使い方は分詞の形容詞的用法と呼ばれます。(分詞構文では副詞として使います。)
分詞の形容詞的用法は普通の形容詞と同じように使えるので、名詞を修飾したり、文中で補語( C )になったりできます。(不定詞の形容詞的用法は補語( C )としては使えませんでしたね!)
現在分詞と過去分詞の2種類の形があります。
現在分詞は動詞のing形で「~している」、過去分詞は動詞の過去分詞形で「~される、~された」という意味です。
現在分詞と過去分詞の使い分けは、分詞で修飾する名詞が分詞の行為をする側(能動・分詞の行為を与える側)なのか、される側(受動・分詞の行為を受ける側)なのかで決まります。
日本語の表面的な意味だけ見ると間違えることがあるので注意しましょう。
例えば、「壊れている窓」という日本語を分詞を使って英語にする場合を考えてみましょう。
この場合、「窓」という名詞を「壊れている」という言葉が修飾しています。
「~している」=現在分詞だから、a breaking window だと思った方がいるかもしれませんが、これは間違いです。
正しくは、a broken window です。
なぜなら、窓は(自分自身を)壊す側ではなく、壊される側のモノだからです。
分詞を使うときは、日本語の字面だけを見て飛びついてはいけません。
必ず、名詞と分詞の関係性を見て、~する側(能動)なのか、~される側(受動)なのかを確認するようにしましょう!
慣れてくると考えなくても正しく使えるようになります。
まずは現在分詞から確認していきましょう!
現在分詞
現在分詞 (~ing):「(自分から)~している」能動(する側・分詞の行為を届ける側)
[S A drowning man] V will catch (M at a straw). 「溺れる者(溺れている人)は藁をもつかむ。」
この文では、名詞の a man 「人」を現在分詞の drowning 「溺れている」が修飾しています。
このように分詞(形容詞)1単語で名詞を修飾する場合は、名詞の直前に分詞を置きます。(前置修飾)
[S I] V know [O the boy swimming in the pool]. 「私はプールで泳いでいる男の子のことを知っています。」
この文では、名詞の the boy 「(その)男の子」を現在分詞のカタマリ swimming in the pool 「プールで泳いでいる」が修飾しています。
このように2語以上のカタマリで名詞を修飾する場合は、名詞の直後に分詞のカタマリを置きます。(後置修飾)
[S I] V saw [O him] [C running in the park]. 「私は彼が公園を走っているのを見ました。」
この文では、running in the park という現在分詞のカタマリが補語( C )になっています。
O と C の間にbe動詞を入れて確かめると、He (him) is running in the park. となり、O = C が成立するので、running in the park は補語( C )です。
補語( C )の判定の仕方についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ!
次に過去分詞を見ていきましょう!
過去分詞
過去分詞(動詞の過去分詞形):「~される、~された」受動(される側・分詞の行為を受ける側)
[S The police] V found [O the stolen money] (M in the car). 「警察はその車の中で盗まれたお金を見つけた。」
この文では、名詞の the money 「(その)お金」を過去分詞の stolen 「盗まれた」が修飾しています。
このように分詞(形容詞)1単語で名詞を修飾する場合は、名詞の直前に分詞を置きます。(前置修飾)
[S This] V is [C the picture painted by my son]. 「これは私の息子によって描かれた絵です。(これは息子が描いた絵です。)」
この文では、名詞の the picture 「(その)絵」を過去分詞のカタマリ painted by my son 「私の息子によって描かれた」が修飾しています。
このように2語以上のカタマリで名詞を修飾する場合は、名詞の直後に分詞のカタマリを置きます。(後置修飾)
[S His eyes] V remained [C closed]. 「彼の目は閉じられたままだった。」
この文では、過去分詞の closed が補語( C )になっています。
S と C の間にbe動詞を入れて確かめると、His eyes are closed. となり、S = C が成立するので closed は補語( C )です。
exciting? excited? 間違えやすい分詞の表現
exciting や excited などの現在分詞や過去分詞の表現の中には、日常でよく使われるので形容詞として辞書に載っているものがあります。
もともとは動詞の excite「~を興奮させる、刺激する」の現在分詞形が exciting、過去分詞形が excited なのですが、使われる頻度が多いので excite とは別の単語として辞書に登録してあるのです。
突然ですが問題です!
次の会話文で( )に入るのは、①か②のどちらでしょう?
ここまでの内容で、分詞を使う時は名詞と分詞の関係性を見て、~する側(能動)なのか、~される側(受動)なのかを確認するというルールが分かっていれば解けるはずです!
A: You are going to get a new car, right? 「新しい車買うんだよね?」
B: Yeah! I am ( )! 「そうなんだよ!ワクワクしてるよ!」① exciting
② excited
正解は② excited ですね!
A: You are going to get a new car, right?
B: Yeah! I am (excited)!
では何故② excitedが正解なのでしょうか?
その理由には、分詞を使う時は名詞と分詞の関係性を見て、~する側(能動・分詞の行為を与える側)なのか、~される側(受動・分詞の行為を受ける側)なのかを確認するというルールが関わっています。
「壊れている窓」が a broken window になるように、たとえ日本語が「ワクワクしてるよ!」のように「~している」という訳になっているからと言って現在分詞 ~ing 「~している」を選んではいけません。
① exciting は ~ing なので現在分詞になります。
現在分詞は~する側(能動・分詞の行為を与える側)なので ① exciting を入れてしまうと、「ワクワク(興奮)を与える側=ワクワク(興奮)させる側」という意味になってしまうので、以下のように伝わってしまいます。
A: You are going to get a new car, right? 「新しい車買うんだよね?」
B: Yeah! I am (exciting)! 「そうなんだよ!僕は(他人を)興奮させるんだ!=僕は刺激的なヤツなんだ!」A: ????? 「?????」
このように、この文脈では① exciting を選んでしまうと会話が成り立たなくなってしまいますね…
Aさんを困惑させたBさんはある意味刺激的な人物かもしれませんが…
それでは、正解の ② excited についても確認して行きましょう!
② excited は過去分詞です。
過去分詞は~される側(受動・分詞の行為を受ける側)です。
今回の文脈の場合は、主語の I 「私」は、新しい車を買うことによってワクワクさせられる側(ワクワクするという行為を受ける側)となるので ② excited が正しいのです。
A: You are going to get a new car, right? 「新しい車買うんだよね?」
B: Yeah! I am (excited)! 「そうなんだよ!ワクワクさせられているよ!=ワクワクしてるよ!」
このような分詞の使い分けを教える際に、大雑把な見分け方として「人が主語なら過去分詞、モノが主語なら現在分詞」という教え方が主流ですがこれはあまりおすすめしません。
理由はそうならない場合もあるからです。
確かに、人が主語の場合は主語が分詞の行為を受ける側になることがほとんどなので I am excited. のように過去分詞形を使うことが多いです。
「モノが主語なら現在分詞」という法則にならえば、先程の会話もモノを主語にすれば ① exciting を使うことができます。
Getting a new car is exciting. 「新しい車を買うのはワクワクする。」
それでは、以下のような場合はどうでしょう?
A: What did you think about John? 「ジョンについてどう思った?」
B: He was interesting. 「彼は興味深い人でした。」
He was interesting. は人が主語なのに現在分詞の interesting を使っています。
この文脈の場合は、主語のHe 「彼」はBさんに「興味を与える側」なので、現在分詞の interesting が正しいのです。
このように、人が主語の場合は過去分詞を使うことが多いですが、現在分詞を使うときもあるので注意が必要ですね!
分詞を使う時は名詞と分詞の関係性を見て、~する側(能動・分詞の行為を与える側)なのか、~される側(受動・分詞の行為を受ける側)なのかを確認するというルールを徹底しましょう!
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まとめ
今回は分詞について解説しました。
特に現在分詞と過去分詞の使い分けは苦手意識がある方は、名詞と分詞の関係性を見て、~する側(能動)なのか、~される側(受動)なのかを確認するようにしましょう!
