【英文法】英語の語順について

英語は語順を重視する言語

例えば、「私はあなたを愛しています。」という日本語の文があったとします。

この文は、「あなたを私は愛しています。」でも、「愛しているんだ、私はあなたを。」でもニュアンスはそれぞれ若干違うものの、伝えたい情報としては同じ意味になっています。

しかし、英語で同じ意味の文を作ろうとすると I love you. 以外の語順はありえません。

You I love. や Love you I. といった語順にしてしまうと意味不明になってしまします。

〈主語+動詞+~〉が基本

英語にも表したい意味によって様々な語順の文がありますが、基本的には I love you. の様に
〈主語+動詞+~〉といった語順になります。この語順は「主語は~だ。~する。/ 主語は~ではない。~しない。」などの事実の説明をする場合に使う基本の語順で、平叙文と呼びます。

平叙文には、肯定文と否定文があります。

肯定文は「主語は~だ。~する。」のような意味を表す文で、否定文は「主語は~ではない。~しない。」のような否定を含む意味を表す文です。


I like coffee. 「私はコーヒーが好きです。」肯定文
I don’t like coffee. 「私はコーヒーが好きではないです。」否定文

英語では、主語と動詞の要素が文の前半部分に来るので、「誰が何をするのか」といった文の枠組みについては、最後まで聞かなくても分かるという利点があります。

それに対して、日本語の文の場合は「~だ。~する。/ ~ではない。~しない。」といった動詞などを含む部分は文末に置く形が基本です。だから、「誰が何をするのか」は文を最後まで聞かないと分かりにくいです。

普通と違う語順で~?を表現

日本語では、疑問文は語尾の形を変えることで表現します。

例えば、「彼はジョンです。」という肯定文を疑問文に変えたい場合は以下の様に語尾を変えます。

「彼はジョンですか?

平叙文の時と同様に、相手から質問されているかどうかは、最後まで聞かないと分かりにくいです。

それに対して英語の疑問文は、平叙文と違う語順を使ったり、疑問文の目印になる単語を平叙文に加えて疑問文を作ります。

be動詞を用いた文は以下の様に〈主語+動詞〉の語順を入れ替えて疑問文を作ります。

He is John. 「彼はジョンです。」肯定文

Is he John? 「彼はジョンですか?」疑問文

一般動詞を用いた文は以下の様に do / does / did の内、その文の主語 / 時制にあうものを文頭に付けて疑問文を作ります。この時、動詞は原形を用います。

John likes coffee. 「ジョンはコーヒーが好きです。」肯定文

Does John like coffee? 「ジョンはコーヒーが好きですか?」疑問文

このように、英語の疑問文は日本語と違い、語順や使われている単語が平叙文と違うので文の前半を聞けば相手から質問されているという事が分かりやすいです。

語順のルール=英文法

「私はあなたを愛しています。」を英語で言いたい場合には I love you. 以外の語順はありえないという事を最初に書きました。つまり、英語は語順を守らないと相手に伝わらない言語だということです。

適切に自分の言いたいことを伝えるための語順のルールが英文法なのです。

単語さえ覚えれば最低限のコミュニケーションを取ることができると言う人がいるかもしれません。それは確かにそうなのですが、文法のルールを無視して単語を羅列する話し方は聞き手に相当な負担を強いてしまいますね。

以前アメリカ人の友人に、めちゃくちゃな文法で英語を話してくる人についてどう思うか聞いてみたことがあります。彼曰く、そういう人と話すのははっきり言って体力を使うし、できればもう話したくないと思ってしまうとのことでした。英語ネイティブの人全員が学校の英語の先生や英会話スクールの講師のように辛抱強いわけではありませんから、聞き流されたり最悪の場合無視されることもあります。

英語でコミュニケーションを取る楽しさや英会話に慣れるという面では、文法のルールを気にしすぎて委縮してしまうのは確かに良くありません。しかし、お互いに気持ちよくコミュニケーションを取るために英文法の学習は最終的には避けては通れないと私は思います。

日本語は、「私はあなたを愛しています。」でも、「あなたを私は愛しています。」でも、「愛しているんだ、私はあなたを。」意味は通じます。

自由度と曖昧さを許容する文化が日本語の魅力だと思うのですが、日本語を学習する外国人の方々は、日本語のそういったところに大変苦労されていると聞きます。

しかし、英語は英文法という語順のルールを覚えて、覚えた単語を適切な位置に適切な形で使えば、100%意味が通じます。

覚えることは多いですが、相手に負担をかけずにお互いに気持ちよくコミュニケーションを取るために、頑張っていきましょう!

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