不定詞の形容詞的用法の基本
不定詞は準動詞の仲間で、大きく分けて名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3種類の用法があります。
ちなみになぜ不定詞という名前なのかと言うと、不定詞は文中に入らないと名詞、形容詞、副詞の内どの使い方になるか確定しないからです。
つまり、文中に入らないと品詞が定まらないので、不定詞と呼ばれます。
不定詞はどの用法でも共通で、to + 動詞の原形の形を使います。
今回は、形容詞的用法について解説していきます。
不定詞の形容詞的用法は、動詞を形容詞扱いで使うことができます。
形容詞扱いなので、名詞を修飾する使い方をします。(文中で補語( C )になる使い方はしません。)
不定詞の形容詞的用法は必ず、名詞+不定詞の形容詞的用法( to + 動詞の原形)の様に修飾する名詞の後に置かれます。
不定詞の形容詞的用法の訳し方は、修飾する名詞との関係性で決めるので、色々な訳し方がありますが、以下の3つの訳し方を覚えておけば大丈夫です。
不定詞の形容詞的用法:名詞+不定詞の形容詞的用法「~するための、~するべき、~する名詞」(訳は修飾される名詞と不定詞の関係性で訳す)
[S I] V have [O many friends to help me]. 「私には自分を助けてくれる友人がたくさんいる。」
[S I] V have [O many friends to help]. 「私には助けてあげなければならない(助けるべき)友人がたくさんいる。」
[S I] V want [O something to write with]. 「私は何か書くためのもの(筆記用具)が欲しい。」
以上が、形容詞的用法の基本です。
次の項からより細かい使い方を見ていきましょう!
修飾される名詞と不定詞の関係性
不定詞の形容詞的用法では、修飾される名詞が不定詞に対して主語の働きをしている場合と目的語の働きをしている場合があります。
先程の例文でそれぞれ確認していきましょう。
[S I] V have [O many friends to help me]. 「私には自分を助けてくれる友人がたくさんいる。」
many friends to help me を文に書き換えると、Many friends help me. 「多くの友人が私を助けてくれる。」となるので、many friends は to help me の主語の働きをしています。
[S I] V have [O many friends to help]. 「私には助けてあげなければならない(助けるべき)友人がたくさんいる。」
many friends to help を文に書き換えると、(I) help many friends. 「(私は)多くの友人を助ける。」となるので、many friends は to help の目的語の働きをしています。
[S I] V want [O something to write with]. 「私は何か書くためのもの(筆記用具)が欲しい。」
something to write with を文に書き換えると、(I) write with something. 「(私は)何かで(何かを使って)書く。」となるので、something は to write with の前置詞 with の目的語の働きをしています。
3つ目の例文のように、形容詞的用法では名詞と不定詞をつなぐ前置詞が必要になる場合があるので注意です!
不定詞の形容詞的用法を教えているとよくある質問が、「something to write with の with などの前置詞は必要なのか?」というものです。
もちろん、必要です。
この場合、前置詞がないと伝えたい意味が伝わらなくなってしまうのです。
I write with ~. 「私は~を使って書く。」と I write ~. 「私は~を書く。」では全く意味が違います。
I write with ~. は書くときに使うものや道具について話していて、I write ~. は何を書くのかなどの書くモノ(内容や題材)について話しています。
筆記用具が必要なシーンで、前置詞の with を使わずに、I want something to write. 「私は書くための何か(題材?)が欲しい。」と言ってしまうと、ネタ切れになってしまった小説家さんのようになってしまいますね💦
ただし、以下の文のように前置詞がなくても誤解が生じないような内容の場合は、前置詞を省略してもよいです。
I don’t have money to buy these books (with). 「私にはこれらの本を買うためのお金を持っていません。」
money to buy these books with を文に書き換えると、(I) buy these books with money. 「私はお金で(お金を使って)これらの本を買う。」となります。
この場合は、write with のときのように with がない場合に大きく意味が変わってしまうようなことはないので、省略してもよいです。
なれないうちは自分で判断するのは難しいと思うので、必要な前置詞はつける癖をつけておくのがおすすめです!
修飾される名詞=to 不定詞
次の例文のように、修飾される名詞=to 不定詞の関係になることがあります。
Her friends were shocked at her decision to join the military. 「彼女の友人たちは軍隊に入るという彼女の決心にショックを受けた。」
この文では、名詞の her decision = to join the military の関係性になっていて、不定詞の部分が名詞の具体的な内容を説明する構造になっています。
このような場合は「~するための、~するべき、~する名詞」という訳し方はしません。
よく使う3種類の訳し方でうまくいかなかった場合は、大抵イコール関係になっています。
イコール関係になっていることが分かるように、工夫して訳す必要があります。
その他の例文をいくつか見て、訳し方を参考にしてみてください。
It’s time to go. 「もう行く時間ですよ。」time = to go
My boyfriend broke his promise to buy me a ring. 「私のボーイフレンドは私に指輪を買ってくれるという約束を破りました。」his promise = buy me a ring
まとめ
今回は、不定詞の形容詞的用法について解説しました。
形容詞的用法だけでも、覚えることはたくさんありますね💦
基本の訳し方だけでも、「~するための、~するべき、~する名詞」の3種類があり、どの訳がふさわしいのかも修飾する名詞との関係性を見なければならないので注意です!
覚えることは多いですが、頑張っていきましょう!