【英文法】不定詞の副詞的用法　形容詞の限定

2025年9月25日2025年10月15日

不定詞の副詞的用法

不定詞は準動詞の仲間で、大きく分けて名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の３種類の用法があります。

ちなみになぜ不定詞という名前なのかと言うと、不定詞は文中に入らないと名詞、形容詞、副詞の内どの使い方になるか確定しないからです。
つまり、文中に入らないと品詞が定まらないので、不定詞と呼ばれます。

不定詞はどの用法でも共通で、to ＋動詞の原形の形を使います。

今回は、副詞的用法について解説していきます。

不定詞の副詞的用法は、動詞を副詞扱いで使うことができます。
副詞扱いなので、名詞以外の語句や文を修飾する使い方をします。
特に動詞や形容詞を修飾する使い方が多いです。
不定詞の副詞的用法には、以下のように６種類も使い方があります。

①目的「～するために」
②結果「～した結果…する」
③感情の原因「～して」
④判断の根拠「～するとは、～するなんて」
⑤形容詞の限定「～するのに（が）形容詞だ」
⑥独立不定詞（慣用表現）：文を修飾

今回は、⑤形容詞の限定を表す用法について解説していきます。

不定詞の副詞的用法　形容詞の限定

形容詞の限定を表す用法は、「～するのに（が）形容詞だ」という意味です。
形容詞 + to + 動詞の原形の語順になり、to 不定詞の直前の形容詞を修飾します。

例文で使い方を確認して行きましょう。

⑤形容詞の限定「～するのに（が）形容詞だ」
This book is difficult to read. 「この本は読むのに難しい。（この本は読みにくい。）」
His lecture was easy to understand. 「彼の講義は理解するのに簡単だった。（彼の講義は理解しやすかった。）」

This book is difficult. だけだと、どのように難しいのかまでは伝わりません。
to read を付けることで、ただ難しいのではなく「読むのに難しい」という意味にできます。
同様に、His lecture was easy. だけだとどのように簡単だったのかまでは伝わりません。
to understand を付けることで、「理解しやすい講義」という意味にできます。

形容詞の限定を表す用法は、名詞的用法を使ったit ～ to 構文「～することは、…（形容詞）だ。」に書き換えることができます。
書き換えても意味は変わりません。

This book is difficult to read.
→ It is difficult to read this book. 「この本を読むことは難しいです。」

His lecture was easy to understand.
→ It is easy to understand his lecture. 「彼の講義を理解することは簡単です。」

形容詞の限定を表す用法には、注意が必要な場合があります。
次の例文を見てみましょう。

This river is dangerous to swim in. 「この川は泳ぐのに危険だ。（この川は泳ぐと危険だ。）」

形容詞の限定を表す用法では、前置詞のあとに来るはずの名詞（前置詞の目的語）が欠けている形になります。

この文をit ～ to 構文に書き換えると、前置詞の in が必要な理由が分かると思います。

It is dangerous to swim in this river. 「この川で泳ぐことは危険です。」

ただ to swim「泳ぐこと」が危険なのではなく、「この川で（中で）泳ぐこと」が危険だと言いたいので、前置詞の in が必要になるのです。

形容詞の限定を表す用法で、不定詞の表現に前置詞が必要なのか分からないときはit ～ to 構文に書き換えると分かりやすいですね！

it ～ to 構文に書き換えるのが苦手な方は、主語を不定詞の後ろに移動させて前置詞が必要か確かめる方法をおすすめします。